新東京周辺鉄道車両速報ブログ資料室

2020年4月22日正式オープン!

埼京・川越線 目次

路線の説明

開業当初の山手線は品川駅から新宿駅を経由して赤羽駅までの路線であったが、1903年(明治36年)に池袋駅から分岐して田端駅に至る豊島線が開業すると池袋駅-赤羽駅間は次第に支線格の立ち位置に変わっていき、1972年(昭和47年)に赤羽線の名で山手線から独立した。この当時既に山手線から転用されたカナリアイエローの101系が運用されており、1978年(昭和53年)から転入した103系にも同色は引き継がれた。

その頃、国鉄は東北方面へ向かう東北新幹線と、新潟方面へ向かう上越新幹線の建設を計画していた。ところが、大宮駅以南の建設予定地で騒音問題を理由に反対運動を受け、1982年(昭和57年)に大宮駅を暫定的なターミナルとして両新幹線は開業した。結局、東北新幹線と並行して通勤新線を建設することとなり、この路線は赤羽駅から大宮駅を経由して宮原駅に至る路線として建設が進められることになった。大宮駅から宮原駅区間は現在に至るまで開業していないものの、赤羽駅から大宮駅の区間東北本線の別線扱いで、1985年(昭和60年)9月30日に開業した。この時、赤羽駅からは赤羽線に直通することとし、池袋駅-赤羽駅-大宮駅間に埼京線の愛称が付けられた。車両基地埼京線沿線に用意できず、代わりに川越線沿線に建設されたため、同線を電化した上で、埼京線は大宮駅-川越駅間とも直通運転を実施することになった(川越線内は埼京線の愛称区間外)。車両は103系が用意され、赤羽線から引き継いだ10両編成5本と、山手線から転属した10両編成17本が川越電車区に配置された。1986年(昭和61年)3月3日には山手貨物線新宿駅への乗り入れが始まり、1編成が増配置となった。

しかし、騒音問題を理由とした新幹線建設反対運動の見返りとして建設された埼京線で運用される103系はとても騒音が大きく、皮肉にも騒音問題が増大する結果となった。さらに、埼京線103系は古い車両も多く非冷房車か含まれているなど、サービス面にも問題があったことから、1989年(平成元年)から1990年(平成2年)にかけて205系での置き換えが実施され、10両編成25本が配置された。当初は全編成を新造車で賄う予定であったが、1988年(昭和63年)12月5日に中央緩行線東中野駅で発生した衝突事故で運用できる車両の数が減ってしまった中央・総武線に2編成が一時的に回されてしまい、1編成は1990年(平成2年)にすぐ埼京線に転属したものの、もう1編成は転属しなかったため、代わりに山手線から1編成が転入して不足分を補った。

1996年(平成8年)3月16日ダイヤ改正では、埼京線の運転区間山手貨物線恵比寿駅まで延長された。これに関連して運用数増加が発生したが、埼京線205系に統一されていることから他線区からの転用で対応することになり、京浜東北根岸線から3編成、山手線から1編成が転用された。同年12月1日ダイヤ改正では、東中野事故の補填で中央・総武線に配置されていた編成が漸く本来の所属先である当路線に転入した。2002年(平成14年)12月1日ダイヤ改正では大崎駅まで延伸すると同時に東京臨海高速鉄道りんかい線との相互直通運転が開始された。ただし、埼京線の折り返しは、恵比寿駅に折り返し設備が無く元々大崎駅構内まで回送して行っていたため、大崎延伸に伴う直接の運用増加は無かった。

2001年(平成13年)から2005年(平成17年)にかけて実施された205系の大転配計画では、山手線で運用されていた6扉車が混雑の激しい埼京線に転用されることになったほか、房総各線への205系配置が取りやめとなって同線向けに確保されていた車両の再分配が実施されたため、10両編成1本が編成単位で転入することになった。6扉車は52両が転入し、宮ハエ3編成~25編成と、編成単位で転入した宮ハエ31編成に組み込まれたが、宮ハエ1編成・2編成については、6扉車の組み込みを見送ってオール4扉車のまましばらく運用された。抜き取られた4扉サハは他の路線に転用された。このほか、2004年(平成16年)10月16日ダイヤ改正で運用数増加があったため、計画の見直しで宮ハエ32編成がオール4扉車として編成単位で転入している。

205系の大転配計画が終わった後も車両の動きは見られた。2007年(平成19年)1月21日に宮ハエ24編成が踏切事故で被災してモハ205-386、モハ204-388が復旧不能となったため、京葉線からモハ205/204-277が補填で転入し同編成に組み込まれた。2008年(平成20年)には、編成に組み込まず保留車となっていた6扉車4両を、一旦宮ハエ32編成・26編成に組み込んだ後に、宮ハエ1編成・2編成と付随車の交換を実施した。これにより、6扉車付きの編成が26本、JR所属の6扉車なしの編成が6本となった。なお、この時に余剰となった宮ハエ26編成・32編成の4扉付随車は、先述の宮ハエ24編成の事故車両2両とともに同年中に廃車となっている(205系電車初の廃車)。

2013年(平成25年)から2014年(平成26年)には、205系の老朽取換用として、E233系7000番台が10両編成31本導入された。これにより置き換えられた205系は、2編成が4両編成に短縮されて宇都宮線へ転用された他はほぼ全て廃車となったが、宮ハエ28編成だけは廃車とならずに予備車として残存した。これは赤羽線東北本線別線区間でATACSが導入されることに伴ってE233系の改造が必要となったことに伴うものであり、改造が終了した2016年(平成28年)に同編成は廃車となった。2019年(平成31年/令和元年)に、JR線と相鉄線相互直通運転が開始された際に、相鉄線直通列車で使用するJR所属の車両は埼京線向け車両と共通運用されることになったため、E233系が10両編成7本増備されている。

編成記事一覧

E233系
7000番台編成 新製年/製造所 備考
都ハエ101編成 2013/JR新津  
都ハエ102編成 2013/JR新津  
都ハエ103編成 2013/JR新津  
都ハエ104編成 2013/JR新津  
都ハエ105編成 2013/JR新津  
都ハエ106編成 2013/JR新津  
都ハエ107編成 2013/JR新津  
都ハエ108編成 2013/JR新津  
都ハエ109編成 2013/JR新津  
都ハエ110編成 2013/JR新津  
都ハエ111編成 2013/JR新津  
都ハエ112編成 2013/JR新津  
都ハエ113編成 2013/JR新津  
都ハエ114編成 2013/JR新津  
都ハエ115編成 2013/JR新津  
都ハエ116編成 2013/JR新津  
都ハエ117編成 2013/JR新津  
都ハエ118編成 2013/JR新津  
都ハエ119編成 2013/JR新津  
都ハエ120編成 2013/JR新津  
都ハエ121編成 2014/JR新津  
都ハエ122編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ123編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ124編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ125編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ126編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ127編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ128編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ129編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ130編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ131編成 2013/J-TREC横浜  
都ハエ132編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ133編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ134編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ135編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ136編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ137編成 2019/J-TREC横浜  
都ハエ138編成 2019/J-TREC横浜  
205系
0番台編成 新製年/製造所 撤退年 備考
宮ハエ1編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ2編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ3編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ4編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ5編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ6編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ7編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ8編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ9編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ10編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ11編成 1989/川崎重工 2013  
宮ハエ12編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ13編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ14編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ15編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ16編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ17編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ18編成 1990/川崎重工 2014  
宮ハエ19編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ20編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ21編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ22編成 1990/川崎重工 2014  
宮ハエ23編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ24編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ25編成 1990/川崎重工 2013  
宮ハエ26編成 1990/川崎重工 2013 6扉車なし
宮ハエ27編成 1989/川崎重工 2013 6扉車なし
宮ハエ28編成 1989/川崎重工 2016 6扉車なし
宮ハエ29編成 1987/日立製作所 2014 6扉車なし
宮ハエ30編成 1987/日立製作所 2014 6扉車なし
宮ハエ31編成 1985/東急車輛 2013  
宮ハエ32編成 1988/東急車輛 2014 6扉車なし

編集履歴(記事ID:0019)

  • 2023年5月14日:首都圏本部発足(2022年10月1日付)を反映
  • 2020年1月17日:資料室掲載記事リニューアル作業実施