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JR東日本201系電車 目次

車両の説明

201系電車は、長らく103系電車の量産を続けていた国鉄にとって久々となる新型の通勤型電車として開発された。先頭部は当時の流行を取り入れた左右非対称のブラックフェイスとなり、機器も省エネ性に優れた電機子チョッパ制御と回生ブレーキを採用している。このほか、国鉄の自信作であることを証明するものとして、車両側面の車番表示が特急型車両同様のステンレス切り抜き文字になっていた。1979年(昭和54年)に試作車10両が落成し、三鷹電車区に配置された。

1981年(昭和56年)からは量産車の製造が開始された。初年度は三鷹電車区に4両+6両分割編成が、豊田電車区に10両貫通編成が投入された。1982年(昭和57年)度からは三鷹電車区所属の車両は10両貫通編成への入れ替えが始まり、快速電車向けの分割編成は武蔵小金井電車区に配置されることになった。また、緩行線向けとして中野電車区にも配置が開始され、分割併合はないものの同区の研修設備の都合で4両+6両分割編成が配置された。なお、三鷹電車区に配置された分割編成は、貫通編成の落成により順次武蔵小金井電車区か中野電車区に転属した(試作車を除く)。快速電車向けの製造は1984年(昭和59年)に完了し、中央線快速電車は10両編成で運転されるが、最後に落成したのは4両単独編成であった。その後も緩行線向けには製造が続いたが、国鉄の厳しい財政状況を受けてコストダウンを図った「軽装車」の導入となった。1985年(昭和60年)に201系の製造は終了し、中央線快速電車向けには、豊田電車区に貫通編成26本、三鷹電車区に貫通編成18本と試作車1本、武蔵小金井電車区に分割編成22本が、中央・総武緩行線向けには、中野電車区に分割編成22本が配置された。1986年(昭和61年)3月3日ダイヤ改正では、中野電車区の車両無配置が実施され、三鷹電車区緩行線用の車両基地に転用されることに伴う大規模な車両転配が実施され、三鷹電車区に所属する快速電車向けの201系は武蔵小金井電車区に転属、これに伴い武蔵小金井電車区にも貫通編成が配置されるため、豊田電車区から一部の201系が武蔵小金井電車区に転属し、中野電車区に所属する201系が全て三鷹電車区に転属することになった。しかし、三鷹電車区所属の試作車は転属しなかったため、代わって中野電車区から1編成が武蔵小金井電車区に転属し、快速電車と緩行線でトレードが実施されている。また、武蔵小金井電車区から14両の201系が豊田電車区に転属しており、豊田電車区に残留した貫通編成1本と編成組み換えを実施することで6両編成3本とバラ予備6両が用意され、青梅線五日市線武蔵野線の運用に投入された。1988年(昭和63年)に、ATS工事に関連して武蔵小金井電車区三鷹電車区の間で制御車2両がトレードされた。

1988年(昭和63年)12月1日ダイヤ改正では、中央線快速電車の所要数が増加したため、青梅・五日市・武蔵野線向けの編成とバラ予備を組み合わせて貫通編成1本が組成されたほか、武蔵小金井電車区所属の貫通編成から1本が豊田電車区に転属した。。同年12月5日に中央緩行線東中野駅で発生した追突事故では、9両が事故廃車となり、クハ201-3だけが廃車を免れて三鷹電車区の保留車となった。1993年(平成5年)4月10日ダイヤ改正では、中央線快速電車の増発用として、三鷹電車区から武蔵小金井電車区に2編成が転属している(三鷹電車区には205系が配置された)。1996年(平成8年)12月1日ダイヤ改正では、三鷹電車区205系を川越電車区に転出させるため、豊田電車区に所属する青梅・五日市・武蔵野線向けの6両編成を組み替えて三鷹電車区に転用、組み換え時に余剰となった2両はバラ予備の制御車と組み合わせて4両編成を組成し武蔵小金井電車区に転属した(武蔵野線完全8両編成も関連して、豊田電車区には103系が配置された)。1997年(平成9年)10月1日ダイヤ改正では、前年に豊田電車区から三鷹電車区に転属した編成が、武蔵小金井電車区に転属している。同年10月12日に大月駅で発生した衝突事故ではクハ200-116が損傷し、同車が復旧するまでは三鷹電車区からの車両貸出(貸し出されたのは快速電車に配属された経験のない軽装車である)や複雑な編成替えで対応された。この関係で、本来は中間運転台であるはずのクハ200-87に電照式種別表示器が搭載されている。

2000年(平成12年)から2002年(平成14年)には、三鷹電車区E231系0番台が投入されたことに伴う転配が実施された。201系は103系置き換え用として豊田電車区と京葉電車区に転属することになった。京葉電車区には試作車を含む7編成が転属し、スカイブルーに塗装を変更して京葉線で運用されることになった。転属したのは全て4両+6両の分割編成であるが、分割運用に投入されたのは4編成のみであり、3編成は非分割運用に充当された。全ての軽装車を含む残る12編成は豊田電車区に転属し、青梅・五日市線で運用されることになった。中央線快速電車とは運用上完全に分けられているほか、103系に合わせて10両編成時には6両+4両の組成になるよう組み換えが実施され、さらに4両編成のうち1本には別の4両編成から電動車を組み込む(この際、軽装車の編成に非軽装車が組み込まれた)ことで、103系と同数の6両編成13本と4両編成10本が用意された。余剰となったクハ201/200-76はバラ予備化された。同時期に、武蔵小金井電車区所属の4両編成が、豊田電車区所属に103系訓練車置き換え用として転属した。この際、元武蔵野線の貫通編成(八トタT1編成)と電動車を交換したため、4両編成については新製当初の組成に戻った。のちに、この4両編成は「四季彩」に改造された。

2005年(平成17年)からは老朽化に伴う廃車が開始され、同年には京葉線所属の試作車と、三鷹電車区に残存していた東中野事故の生き残りのクハ201-3が廃車となった。2006年(平成18年)から2010年(平成22年)にはE233系の導入に伴い、豊田電車区豊田車両センター所属の201系の廃車が進んだが、貫通編成2本は京葉線(京葉車両センター)に転属した。2008年(平成20年)から2009年(平成21年)には209系の導入に伴って京葉線の貫通編成と非分割編成が、2011年(平成23年)にはE233系の導入によって京葉線の分割編成も置き換えられたため、車籍を残したまま事実上の静態保存となっているクハ201-1(豊田車両センター)以外は全て廃車となった。

編成記事一覧

0番台
クハ201形 編成 新製年/製造所 備考
クハ201-1 都トタH1編成 1981/東急車輛  
クハ201-2 (編成なし) 1981/東急車輛 2008年除籍
クハ201-3 三鷹区保留車 1981/東急車輛 2005年除籍
クハ201-4 (編成なし) 1981/東急車輛 1989年除籍
クハ201-5 八トタT103編成 1981/日本車両 2007年除籍
クハ201-6 (編成なし) 1981/日本車両 2007年除籍
クハ201-7 千ケヨ71編成 1981/日本車両 2009年除籍
クハ201-8 八トタT117編成 1982/東急車輛 2007年除籍
クハ201-9 八トタH3編成 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-10 (編成なし) 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-11 八トタT104編成 1981/東急車輛 2007年除籍
クハ201-12 (編成なし) 1981/日本車両 2007年除籍
クハ201-13 八トタT101編成 1981/日本車両 2007年除籍
クハ201-14 八トタT119編成 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-15 (編成なし) 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-16 八トタ青60編成 1981/日立製作所 2008年除籍
クハ201-17 八トタ青1編成 1981/日立製作所 2008年除籍
クハ201-18 八トタT18編成 1981/日立製作所 2007年除籍
クハ201-19 八トタT102編成 1981/日本車両 2008年除籍
クハ201-20 八トタT103編成 1982/川崎重工 2007年除籍
クハ201-21 八トタT104編成 1982/川崎重工 2007年除籍
クハ201-22 八トタT19編成 1982/東急車輛 2007年除籍
クハ201-23 (編成なし) 1982/東急車輛 2009年除籍
クハ201-24 八トタT20編成 1981/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-25 八トタT5編成 1982/近畿車輌 2006年除籍
クハ201-26 八トタT6編成 1982/日立製作所 2006年除籍
クハ201-27 八トタT7編成 1982/日立製作所 2007年除籍
クハ201-28 八トタT108編成 1982/日立製作所 2007年除籍
クハ201-29 八トタT21編成 1982/日本車両 2007年除籍
クハ201-30 八トタT122編成 1982/川崎重工 2007年除籍
クハ201-31 八トタT123編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-32 八トタT9編成 1982/東急車輛 2007年除籍
クハ201-33 八トタT110編成 1982/日立製作所 2007年除籍
クハ201-34 八トタ青61編成 1982/日本車両 2007年除籍
クハ201-35 八トタ青2編成 1982/日本車両 2008年除籍
クハ201-36 千ケヨ72編成 1982/川崎重工 2009年除籍
クハ201-37 千ケヨ51編成 1983/日本車両 2011年除籍
クハ201-38 八トタT105編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-39 (編成なし) 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-40 八トタT120編成 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-41 (編成なし) 1981/川崎重工 2007年除籍
クハ201-42 八トタH6編成 1982/日立製作所 2007年除籍
クハ201-43 (編成なし) 1982/日立製作所 2007年除籍
クハ201-44 八トタT124編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-45 八トタT111編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-46 八トタT112編成 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-47 八トタT113編成 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-48 八トタT25編成 1983/日本車両 2006年除籍
クハ201-49 八トタT126編成 1982/川崎重工 2007年除籍
クハ201-50 八トタT127編成 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-51 八トタT114編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-52 八トタT115編成 1982/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-53 八トタT128編成 1983/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-54 八トタT116編成 1983/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-55 八トタT29編成 1983/東急車輛 2006年除籍
クハ201-56 千ケヨ74編成 1983/東急車輛 2008年除籍
クハ201-57 八トタT131編成 1982/日本車両 2007年除籍
クハ201-58 千ケヨ70編成 1983/日本車両 2008年除籍
クハ201-59 八トタT132編成 1982/川崎重工 2007年除籍
クハ201-60 八トタT133編成 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-69 八トタT106編成 1983/日立製作所 2007年除籍
クハ201-70 (編成なし) 1983/日立製作所 2007年除籍
クハ201-71 八トタT107編成 1983/日本車両 2007年除籍
クハ201-72 (編成なし) 1983/日本車両 2007年除籍
クハ201-73 八トタ青62編成 1983/近畿車輌 2008年除籍
クハ201-74 八トタ青3編成 1983/近畿車輌 2008年除籍
クハ201-75 八トタ青63編成 1983/東急車輛 2008年除籍
クハ201-76 豊田区保留車 1983/東急車輛 2006年除籍
クハ201-79 八トタ青64編成 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-80 八トタ青4編成 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-81 八トタT121編成 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-82 (編成なし) 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-83 八トタ青65編成 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-84 八トタ青5編成 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-85 八トタT125編成 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-86 (編成なし) 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-87 八トタT108編成 1983/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-88 (編成なし) 1983/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-95 八トタT109編成 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-96 (編成なし) 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-97 八トタT129編成 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-98 (編成なし) 1983/川崎重工 2007年除籍
クハ201-99 八トタH2編成 1983/日立製作所 2008年除籍
クハ201-100 (編成なし) 1983/日立製作所 2008年除籍
クハ201-101 八トタH3編成 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-102 (編成なし) 1983/川崎重工 2008年除籍
クハ201-103 (編成なし) 1983/日本車両 2009年除籍
クハ201-104 千ケヨK1編成 1983/日本車両 2011年除籍
クハ201-105 八トタT130編成 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-106 (編成なし) 1983/東急車輛 2007年除籍
クハ201-107 八トタH4編成 1984/東急車輛 2010年除籍
クハ201-108 (編成なし) 1984/東急車輛 2010年除籍
クハ201-109 千ケヨK2編成 1983/日本車両 2011年除籍
クハ201-110 千ケヨ52編成 1983/日本車両 2011年除籍
クハ201-111 千ケヨK3編成 1984/日本車両 2011年除籍
クハ201-112 千ケヨ53編成 1984/日本車両 2011年除籍
クハ201-113 千ケヨK4編成 1984/川崎重工 2011年除籍
クハ201-114 千ケヨ54編成 1984/川崎重工 2011年除籍
クハ201-115 八トタH5編成 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-116 (編成なし) 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-117 八トタT110編成 1984/川崎重工 2007年除籍
クハ201-118 (編成なし) 1984/川崎重工 2007年除籍
クハ201-126 八トタH6編成 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-127 (編成なし) 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-128 八トタH7編成 1984/東急車輛 2010年除籍
クハ201-129 (編成なし) 1984/東急車輛 2010年除籍
クハ201-130 八トタT117編成 1984/東急車輛 2007年除籍
クハ201-131 (編成なし) 1984/東急車輛 2007年除籍
クハ201-132 八トタT118編成 1984/川崎重工 2007年除籍
クハ201-133 (編成なし) 1984/川崎重工 2007年除籍
クハ201-134 八トタW1編成 1984/近畿車輌 2009年除籍
クハ201-144 八トタ青66編成 1984/川崎重工 2007年除籍
クハ201-145 八トタ青6編成 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-146 八トタ青67編成 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-147 八トタ青7編成 1984/川崎重工 2008年除籍
クハ201-148 八トタ青68編成 1985/近畿車輌 2008年除籍
クハ201-149 八トタ青8編成 1985/近畿車輌 2008年除籍
クハ201-149 八トタ青69編成 1985/近畿車輌 2007年除籍
クハ201-150 八トタ青9編成 1985/近畿車輌 2008年除籍
クハ201-151 八トタ青70編成 1985/川崎重工 2007年除籍
クハ201-152 八トタ青71編成 1985/川崎重工 2008年除籍
クハ201-153 八トタ青72編成 1985/川崎重工 2008年除籍
クハ201-154 八トタ青10編成 1985/川崎重工 2008年除籍
900番台
クハ201形 編成 新製年/製造所 備考
クハ201-901 (編成なし) 1979/東急車輛 2005年除籍
クハ201-902 (編成なし) 1979/日本車両 2005年除籍

編集履歴(記事ID:0032)

  • 2023年6月1日:首都圏本部への車両移管を反映
  • 2020年2月1日:資料室掲載記事リニューアル作業実施