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2020年4月22日正式オープン!

JR東日本253系電車 目次

車両の説明

253系電車は、1991年(平成3年)3月19日の成田線成田駅-成田空港駅間開業と同時に運行開始する、成田空港アクセス特急成田エクスプレス」向けの初代車両として開発された、直流特急型電車である。車体は普通鋼製で、制御装置は251系に引き続き界磁添加励磁制御が採用された。補助電源装置には、JR東日本の車両として初めて静止型インバータ(SIV)が採用された。総武・東京トンネルを走行することから当時必要とされていた前面貫通扉を装備し、編成間を貫通幌で接続することが可能となっていたほか、中央本線内の狭小トンネル走行も想定した車体構造になっていた。

1991年(平成3年)の「成田エクスプレス」開業時には3両編成21本が導入された。編成中1両が連結されるグリーン車は、2種類の座席配置があり、0番台と100番台に区分された。どちらも定員4人のコンパートメント(個室)が1室と、解放式グリーン車が20席であり、0番台は1+1の配置(10列)とし、100番台は1+1と1+2をランダムに配置(8列)していた。普通車は荷物置き場の確保を目的としたボックス式クロスシートだった。荷物棚は旅客機同様のハットラック式を採用した。

その後は、輸送力増強を目的として一部編成の6両編成化が実施されることになり、1993年(平成5年)に6編成、1994年(平成6年)に4編成、1997年(平成9年)に2編成が、新造中間車3両を組み込んだ。6両編成化はクロ253形0番台を連結した編成が優先されたが、1996年(平成8年)には0番台編成が全て6両編成化されたことから、クロ253形100番台を組み込んだ編成も1編成だけ6両編成化された。

2002年(平成14年)には、サッカーのワールドカップが開催されることに伴う観客輸送に対応するため、11年ぶりに編成単位で増備されることになった。ブランクを置いての増備となったことから、変更された仕様も多く、この時の増備車は200番台に区分された。制御装置をはじめとした床下機器は、既存の編成と仕様を揃えるため、205系VVVFインバータ制御へ改造することで捻出した機器を取り付けた。解放式グリーン車の座席配置は1+2(両端は1+1)の10列に変更されて定員が4名増加し、普通車も2人掛けの回転式リクライニングシートに変更された。荷物棚も解放式に変更されている。

200番台の増備に伴って既存編成のリニューアル工事が実施されており、6両編成のグリーン車は200番台同様の座席配置に変更された。これに伴って0番台と100番台の差異がなくなったが、改番は実施されていない。3両編成のグリーン車は、コンパートメントは残置されたものの解放式グリーン車は普通車に格下げされ、2人掛けの回転式リクライニングシートに改造された。6両編成、3両編成とも普通車の座席は集団見合い式に改造された。荷物棚も解放式に改造された。

2010年(平成22年)に、成田空港の発着回数増加への対応と、京成成田スカイアクセス線開業に伴って同社の「スカイライナー」に新型車両が導入されることに対抗するため、前年の2009年(平成21年)から「成田エクスプレス」に新型車両のE259系が導入されることになった。これに伴い253系は置き換えられることになり、0番台・100番台は全て廃車となった(3両編成2本が長野電鉄に譲渡された)。一方、200番台は2002年(平成14年)製と比較的新しい車両であったことから、改造の上で東武線直通の特急「日光」「きぬがわ」へ転用されることになった。VVVFインバータ化改造、グリーン車の普通車への格下げ等が実施され、1000番台に改番された。当初は2011年(平成23年)4月16日から運用開始される予定だったが、東日本大震災の影響によってデビューが遅れ、同年6月4日から運用に投入された。

編成記事一覧

0番台
クロ253形 編成 新製年/製造所 備考
クロ253-1 横クラNe-01編成 1990/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-2 横クラNe-02編成 1990/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-3 横クラNe-03編成 1991/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-4 横クラNe-04編成 1991/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-5 横クラNe-05編成 1991/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-6 横クラNe-06編成 1991/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-7 横クラNe-07編成 1991/近畿車輌 2010年除籍
クロ253-8 横クラNe-08編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロ253-9 横クラNe-09編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロ253-10 横クラNe-10編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロ253-11 横クラNe-11編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253形 編成 新製年/製造所 備考
クロハ253-1 横クラNe102編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-2 横クラNe103編成 1991/東急車輛 2009年除籍
クロハ253-3 横クラNe104編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-4 横クラNe105編成 1991/東急車輛 2009年除籍
クロハ253-5 横クラNe106編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-6 横クラNe107編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-7 横クラNe108編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-8 横クラNe109編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロハ253-9 横クラNe110編成 1991/東急車輛 2009年除籍
100番台
クロ253形 編成 新製年/製造所 備考
クロ253-101 横クラNe101編成 1991/東急車輛 2010年除籍
クロ253-102 →クロハ253-1
クロ253-103 →クロハ253-2
クロ253-104 →クロハ253-3
クロ253-105 →クロハ253-4
クロ253-106 →クロハ253-5
クロ253-107 →クロハ253-6
クロ253-108 →クロハ253-7
クロ253-109 →クロハ253-8
クロ253-110 →クロハ253-9
200番台
クロ253形 編成 新製年/製造所 備考
クロ253-201 →クハ253-1001
クロ253-202 →クハ253-1002
1000番台
クハ253形 編成 新製年/製造所 備考
クハ253-1001 都オオOM-N01編成 2002/東急車輛  
クハ253-1002 都オオOM-N02編成 2002/東急車輛  

編集履歴(記事ID:0486)

  • 2023年4月24日:首都圏本部発足(2022年10月1日付)を反映
  • 2020年4月18日:資料室掲載記事リニューアル作業実施