車両の説明
E653系電車は、常磐線系統で運用されていた485系電車の置き換え用として開発された車両である。全車両が、常磐線系統の特急列車が配置される勝田電車区→勝田車両センターを新製配置としており、特急「フレッシュひたち」専属で運用された。車体色は、上部はホワイトブロッサム、下部は基本編成についてはスカーレットブロッサム、ブルーオーシャン、イエロージョンキル、グリーンレイクいずれか1色(8編成のため各色2編成ずつ)、不足編成は全編成がオレンジパーシモンに塗装された。1997年(平成9年)に1次車として基本編成4本、1998年(平成10年)に2次車として基本編成4本と付属編成3本が落成した。2次車の導入により485系は常磐線系統の定期列車が全て撤退したため、E653系の導入も一旦終了したが、2005年(平成17年)に3次車となる付属編成1本が増備されている。
2011年(平成23年)から2013年(平成25年)にかけて、E657系が常磐線系統に投入されたことにより、E653系は全編成が651系共々置き換えられた。常磐線の定期運用から離脱した後は、一時的に臨時列車に充当された後、基本編成は2013年(平成25年)から2015年(平成27年)にかけて順次新潟車両センターに転属し、白新線・羽越線の特急「いなほ」に転用された。これにより、同センター所属の485系が置きかえられた。付属編成は当初常磐線特急をいわき駅で系統分離する際に新設されるいわき駅-仙台駅間の特急列車に転用されると発表されたものの、2011年(平成23年)3月11日発生の東日本大震災で常磐線の一部区間不通が続き、特急列車の運行が不可能になったため白紙撤回され、2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で新設された信越線系統の特急「しらゆき」に転用された。これによりE653系は結果的に全編成が新潟車両センターに転属することになった。なお、転用改造時に基本編成の元・水カツK308編成と付属編成の元・水カツK354編成が振り替えられており(理由は不明)、元・水カツK354編成は元・水カツK308編成の中間車3両を組み込んで「いなほ」用に改造され、元・水カツK308編成の残り4両は「しらゆき」用に改造された。2016年(平成28年)から2018年(平成30年)にかけて、全車両に機器更新が実施されたが、機器更新と同時に、配置数が過剰となっていた「いなほ」用の新ニイU-108編成は勝田車両センターに転属し、波動輸送用の水カツK70編成となって常磐線を中心に運用されることになった。これに伴い、651系の波動輸送用編成が置き換えられた。2023年(令和5年)には、「いなほ」用からさらに新ニイU-102編成も勝田車両センターに転属し、都カツK71編成として首都圏の波動輸送用として運用されることになった。
編成記事一覧
0番台
クハE653形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE653-1 |
→クハE653-1001 |
クハE653-2 |
→クハE653-1002 |
クハE653-3 |
→クハE653-1003 |
クハE653-4 |
→クハE653-1004 |
クハE653-5 |
→クハE653-1005 |
クハE653-6 |
→クハE653-1006 |
クハE653-7 |
→クハE653-1007 |
クハE653-8 |
→クハE653-1104 |
100番台
クハE653形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE653-101 |
→クハE653-1101 |
クハE653-102 |
→クハE653-1102 |
クハE653-103 |
→クハE653-1103 |
クハE653-104 |
→クハE653-1008 |
1000番台
1100番台
編集履歴(記事ID:0714)
- 2023年9月9日:新ニイU-102編成改め都カツK71編成を反映
- 2023年6月22日:首都圏本部への車両移管を反映
- 2020年3月9日:資料室掲載記事リニューアル作業実施