車両の説明
E351系電車は、JR東日本が国鉄から継承した183系・189系の老朽化に伴う置き換えと、高速化を目的として中央線系統向けに開発された、直流特急型電車である。形式名に「E」を冠しているのはこの形式が初めてで、これ以降に登場したJR東日本の車両にも原則として付けられることになっている。高速化のために制御式自然振り子装置を装備したことが特筆され、車体は普通鋼製である。基本編成が8両、付属編成が4両で、登場当初は東京方が基本編成だったが、後に基本編成と付属編成の連結順が入れ替えられた。
1993年(平成5年)に、量産先行車が基本・付属各2編成落成し、まずは特急「あずさ」に先行的に投入された。翌1994年(平成6年)に基本編成と付属編成の連結順を逆転し、同年12月3日から「スーパーあずさ」の運行が開始された。1995年(平成7年)から1996年(平成8年)にかけて量産車が基本・付属各3編成落成したが、これ以降E351系が増備されることはなく、中央線系統で運用される183系・189系の置き換えは、2001年(平成13年)以降E257系で実施されることになった。
1997年(平成9年)10月12日に大月駅構内で発生した列車衝突事故では、長モトS3編成・S23編成が被災した。事故後警察に押収されたため大月駅構内でしばらく保管された後、1998年(平成10年)2月に損傷の大きかった5号車から9号車が解体されたが、書類上は廃車扱いとはせず、車体を新造の上で可能な限り部品を再利用する形で修理(事故復旧)が実施された。事故車両が運用できなくなったことから、183系・189系がスーパーあずさ2往復を「あずさ」として代走していたが、長モトS3編成の復旧に伴い、1998年(平成10年)7月16日限りで代走は終了した。
2015年(平成27年)に、中央線系統の後継車両となるE353系電車が登場、2017年(平成29年)から営業運転に投入されると、E351系は翌2018年(平成30年)までに全て置き換えられた。その後は老朽化を理由に全車両が廃車・解体となっており、保存された車両は1両もない。
編成記事一覧
0番台
100番台
クハE351形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE351-101 |
→クハE351-1101 |
クハE351-102 |
→クハE351-1102 |
クハE351-103 |
長モトS3編成 |
1995/日本車両 |
2018年除籍 |
クハE351-104 |
長モトS4編成 |
1996/日立製作所 |
2018年除籍 |
クハE351-105 |
長モトS5編成 |
1996/日本車両 |
2017年除籍 |
200番台
クハE351形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE351-201 |
→クハE351-1201 |
クハE351-202 |
→クハE351-1202 |
300番台
クハE351形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE351-301 |
→クハE351-1301 |
クハE351-302 |
→クハE351-1302 |
1000番台
クハE351形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE351-1001 |
偶数向き |
クハE351-1002 |
偶数向き |
1100番台
1200番台
クハE351形 |
編成 |
新製年/製造所 |
備考 |
クハE351-1201 |
偶数向き |
クハE351-1202 |
偶数向き |
1300番台
編集履歴(記事ID:0566)
- 2020年3月27日:資料室掲載記事リニューアル作業実施