路線の説明
新潟駅を中心とした新潟地区の普通列車には115系電車が運用されていたが、国鉄時代から急行型の165系・169系も普通列車で運用されていた。しかし、急行型がデッキ付き2扉の構造であることと、車両自体の老朽化が進んでいたことから、1995年(平成7年)から1996年(平成8年)にかけてロングシートで3扉車のE127系が2両編成13本導入された。これ以降も115系を初期車から経年の浅い車両に入れ替えたりはしたものの、新潟車両センターには依然として多くの115系電車が配置されており、1970年代に製造された車両は車齢35年を超えるなど老朽化が進んでいた。
これを受けて、115系の老朽取換を目的としてE129系が導入されることになった。4両編成のA編成と2両編成のB編成が用意され、全てJ-TREC新津事業所で製造されている。同所がJR東日本直営の新津車両製作所だった頃から新潟支社管内にありながら首都圏向けの車両のみ製造していたことから、電車の地産地消は新潟支社の悲願であり、それが達成された形となった。製造は2014年(平成26年)から開始され、先に2両編成を導入した後で4両編成が導入された。
2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正では、北陸新幹線長野駅-金沢駅間が開業したことに伴い、信越本線の新潟県内区間がえちごトキめき鉄道に移管されたことに伴い、同社にE127系10編成(新ニイV1編成・V2編成・V4編成~V11編成)が譲渡されることになった。これに先立ってE129系のB編成で2度に分けてE127系の運用が全て置き換えられた。このほかに、E127系は2008年(平成20年)の事故で損傷した新ニイV3編成が廃車となっているため、新ニイV12編成・V13編成の2編成だけが残存する形となったが、少数のみの在籍になったことから、同改正以降は弥彦線専属として運用されることになった。ダイヤ改正以前も115系で同線専属の車両が運用されていたことから、これらの車両を間接的に置き換えた形になる。これ以降はダイヤ改正と運用変更を計8度実施してE129系を順次運用に投入し、2017年(平成29年)3月4日ダイヤ改正までにE129系は当初予定の4両編成25本と2両編成30本の導入が完了した。ただし、この時点では115系も3両編成12本が残存していた。これらは置き換えが当面見送られることになっていたが、新潟駅の高架化に伴い同駅にATS-Pを搭載していない車両が乗り入れられなくなったため、E129系が4両編成1本・2両編成2本増備され、2018年(平成30年)3月17日ダイヤ改正で115系5編成が撤退した。なお、これ以降も残る115系7編成は、全て2013年(平成25年)以降に長野総合車両センターから転属した、ATS-Pを搭載した車両だった。
2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正では、新潟駅高架化工事に関連する運用の整理を行ったほか、E129系を4両編成1本と2両編成2本導入したことにより、115系とE127系が運用から離脱した。これにより、新潟地区の普通列車運用に充当される電車はE129系のみに統一された。115系は全て廃車となった。E127系も運用を離脱したが、ダイヤ改正後にE129系の故障が相次いだため一時的に運用に復帰し、2023年に正式に新潟地区から撤退した。
編成記事一覧
E129系
E127系
0番台編成 | 新製年/製造所 | 撤退年 | 備考 |
新ニイV12編成 | 1996/東急車輛 | 2023 | |
新ニイV13編成 | 1996/東急車輛 | 2023 | |
えちごトキめき鉄道譲渡車 | |||
新ニイV1編成 | 1995/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV2編成 | 1995/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV4編成 | 1995/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV5編成 | 1995/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV6編成 | 1995/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV7編成 | 1996/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV8編成 | 1996/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV9編成 | 1996/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV10編成 | 1996/川崎重工 | 2015 | |
新ニイV11編成 | 1996/川崎重工 | 2015 | |
事故廃車 | |||
新ニイV3編成 | 1995/川崎重工 | 2014 |
編集履歴(記事ID:0027)
- 2023年2月22日:新ニイV12編成・V13編成の撤退を反映
- 2022年3月1日:新ニイB27編成の落成を反映
- 2022年2月21日:新ニイA33編成・A34編成の落成を反映
- 2020年2月28日:資料室掲載記事リニューアル作業実施