新東京周辺鉄道車両速報ブログ資料室

2020年4月22日正式オープン!

JR東日本651系電車 目次

車両の説明

651系電車は、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化によって発足したJR東日本が開発した初めての特急型電車である。「タキシードボディのすごいヤツ」のキャッチフレーズが与えられ、白い車体にグレーのアクセントを加えた外装で、先頭部にはLED式のヘッドサインを設けて尾灯と一体化されている。内装も居住性を高めるなど国鉄時代と比較してサービス面が大きく向上し、性能面では在来線の営業列車として初めて130km/h運転を実現した。

形式名が示すように651系は交直流電車であるため、常磐線のみに集中して投入されており、老朽化した485系の置き換え用として1988年(昭和63年)から導入が開始された。基本編成が7両編成、付属編成が4両編成であり、1990年(平成2年)までに基本、付属各8編成が導入された。1992年(平成4年)にも基本、付属各1編成が増備された。651系で運転される特急列車は「スーパーひたち」の愛称がつけられて485系で運転される列車と区別されるようになった。1997年(平成9年)からはE653系常磐線の特急運用に投入され、こちらは「フレッシュひたち」として区別されていたが、2002年(平成14年)12月1日ダイヤ改正以降は651系も一部の「フレッシュひたち」で運用されるようになった(E653系による「スーパーひたち」は無し)。2012年(平成24年)3月17日ダイヤ改正からは後継車両となるE657系常磐線系統に投入されて651系の置き換えが開始され、2013年(平成25年)3月16日ダイヤ改正をもって勝田車両センター所属の651系は全ての定期運用を失った。これにより多くの編成が廃車か後述する高崎線系統に転出したほか、勝田車両センターに残留した編成の一部は波動輸送用に回されることになったが、同年10月1日以降はE657系の改造工事に伴う予備車確保のため、「フレッシュひたち」1往復のみではあるものの、定期運用が復活した。この代走はE657系の改造が終わった2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正の前日まで続けられた。ダイヤ改正以降は再び定期運用を失ったが、2017年(平成29年)7月22日からは常磐線いわき駅-竜田駅間の普通列車2往復に付属編成が充当されることになり、普通列車ではあるものの定期運用が復活した。同年10月21日からは2011年(平成23年)3月11日発生の東日本大震災の影響により不通が続いていた竜田駅-富岡駅間が復旧したため、運用区間が延長された。基本編成は引き続き波動輸送用として2編成が運用されていたが、老朽化が進んでいることを理由として置き換えられることになり、新潟車両センターで余剰となっていたE653系1編成が2018年(平成30年)に転属したことに伴い、翌2019年(令和元年)に0番台の基本編成が消滅した。2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正では、常磐線の全線運転再開に伴って普通列車運用がE531系に置き換えられたため、みたび定期運用を失い、勝田車両センター所属の651系はそのまま全て廃車となった。

E657系の導入に伴って常磐線の運用を失った651系は、2014年(平成26年)3月15日ダイヤ改正から185系の置き換え用として、大宮総合車両センター東大宮センターに転属して高崎線系統の「スワローあかぎ」「あかぎ」「草津」で運用されることになった。転属したのは基本編成6本と付属編成3本で、交流区間には乗り入れないため直流専用に改造され、1000番台に改番された。なお、交流区間用の機器については、撤去されたものもあるが、重量バランス調整のため大半の機器は撤去はせず、死重扱いで残置されている。外装・内装については、大きくは変更されていないもののオレンジ色の帯が1本追加されているのが0番台との相違点となっている。基本編成単体の7両編成と付属編成を連結した11両編成があったものの、需給バランスの調整のため2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正以降は全て7両編成で運用されるようになったため4両編成は定期運用を全て失い、後述の観光列車に改造された1編成を除く2編成については、臨時列車に充当されることもなく廃車となった。2018年(平成30年)に基本編成1本が追加で転属した。

高崎線系統で余剰となった付属編成のうち1編成は、東海道伊東線で観光列車「伊豆クレイル」として運用されることになった。これに伴い、従来は全て普通車であったところ、全座席をグリーン車以上に改造(4両中1両は座席が無くなったため普通車のまま)し、国府津車両センターに転属した。

2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正では、東海道線でE261系による特急「サフィール踊り子」が運行開始となり、これと入れ替わるように「伊豆クレイル」は同年3月29日限りで通常の運行を終了、その後6月までは特別運行が実施される予定とされたが、特別運行は全て中止となったため結果的に同年3月29日が最後の運行となり、専用車両だった横コツIR01編成は同年10月に廃車された。

大宮総合車両センター所属の高崎線系統の車両も、2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正で運用や予備車の見直しを実施して宮オオOM202編成が廃車となり、残りの編成も2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正でE257系2500・5500番台に置き換えられる形で全ての定期運用を失い、波動用にも転用されずに全車引退となった。ほぼ全ての車両が廃車・解体となったが、クハ651-1001だけは廃車を免れて郡山総合車両センター構内で保存されている。

編成記事一覧

0番台
クハ651形 編成 新製年/製造所 備考
クハ651-1 →クハ651-1001
クハ651-2 →クハ651-1007
クハ651-3 水カツK103編成 1989/川崎重工 2019年除籍
クハ651-4 →クハ651-1002
クハ651-5 水カツK105編成 1989/川崎重工 2018年除籍
クハ651-6 →クハ651-1003
クハ651-7 →クハ651-1004
クハ651-8 →クハ651-1005
クハ651-9 →クハ651-1006
100番台
クハ651形 編成 新製年/製造所 備考
クハ651-101 水カツK201編成 1989/川崎重工 2020年除籍
クハ651-102 水カツK202編成 1989/川崎重工 2016年除籍
クハ651-103 水カツK203編成 1989/川崎重工 2013年除籍
クハ651-104 水カツK204編成 1989/川崎重工 2015年除籍
クハ651-105 水カツK205編成 1990/川崎重工 2020年除籍
クハ651-106 →クハ651-1101
クハ651-107 水カツK207編成 1990/川崎重工 2019年除籍
クハ651-108 →クハ651-1102
クハ651-109 →クハ651-1103
1000番台
クハ651形 編成 新製年/製造所 改造年/改造所 備考
クハ651-1001 都オオOM201編成 1988/川崎重工 2014/郡山総車セ  
クハ651-1002 宮オオOM202編成 1989/川崎重工 2014/大宮総車セ 2022年除籍
クハ651-1003 都オオOM203編成 1989/川崎重工 2014/郡山総車セ 2023年除籍
クハ651-1004 都オオOM204編成 1990/川崎重工 2013/郡山総車セ 2023年除籍
クハ651-1005 都オオOM205編成 1990/川崎重工 2013/郡山総車セ 2023年除籍
クハ651-1006 都オオOM206編成 1992/川崎重工 2013/郡山総車セ 2023年除籍
クハ651-1007 都オオOM207編成 1989/川崎重工 2018/郡山総車セ 2023年除籍
1100番台
クロ651形 編成 新製年/製造所 改造年/改造所 備考
クロ651-1101 横コツIR01編成 1990/川崎重工 2016/大宮総車セ 2020年除籍
クハ651形 編成 新製年/製造所 改造年/改造所 備考
クハ651-1101 →クロ651-1101
クハ651-1102 宮オオOM302編成 1990/川崎重工 2014/郡山総車セ 2017年除籍
クハ651-1103 宮オオOM303編成 1992/川崎重工 2014/郡山総車セ 2017年除籍

編集履歴(記事ID:0346)

  • 2023年12月22日:一部修正
  • 2023年10月25日:都オオOM201編成の廃車を反映
  • 2023年9月27日:都オオOM207編成の廃車を反映
  • 2023年7月26日:都オオOM206編成の廃車を反映
  • 2023年6月16日:都オオOM205編成の廃車を反映
  • 2023年4月26日:都オオOM204編成の廃車を反映
  • 2023年4月24日:首都圏本部発足(2022年10月1日付)を反映
  • 2023年3月23日:宮オオOM203編成の廃車を反映
  • 2023年3月18日:ダイヤ改正を反映
  • 2022年4月15日:宮オオOM202編成の廃車を反映
  • 2020年10月9日:横コツIR01編成の廃車を反映
  • 2020年6月5日:水カツK205編成の廃車を反映
  • 2020年4月2日:水カツK201編成の廃車を反映
  • 2020年3月1日:資料室掲載記事リニューアル作業実施