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2020年4月22日正式オープン!

JR東日本185系電車 目次

車両の説明

185系電車は国鉄末期に開発された直流特急型電車であり、1981年(昭和56年)から1982年(昭和57年)にかけて新造された。元は東海道本線で運用されていた急行型の153系電車置き換え用として開発が進められた車両であり、特急列車と普通列車のどちらにも使用できる万能型の電車として登場した。しかし、開発開始当初は急行列車の特急格上げを想定しておらず急行型として開発が進められていたため、普通車で転換クロスシートが採用されている点などはサービス面で見劣りするものであり、後のリニューアル工事で回転リクライニングシートに交換するなどサービス面の改善が実施された。

1981年(昭和56年)は、田町電車区向けの0番台が10両編成(基本編成)8本、5両編成(付属編成)7本導入された。最初の営業運用は普通列車であったが、同年3月28日からは急行「伊豆」で暫定的に運用され、同年10月1日ダイヤ改正からは急行「伊豆」と特急「あまぎ」を統合したエル特急「踊り子」で運用されるようになった。導入途上では153系との併結運用が存在し、「踊り子」運転開始後も一世代前の特急型である183系が185系と併用されていた。

同年末から1982年(昭和57年)には、新前橋電車区向けの200番台が7両編成16本導入された。0番台との相違点は、耐寒耐雪装備の採用と横軽対策の実施などが挙げられる。前期投入分の9編成は1982年(昭和57年)3月10日から165系の運用を順次置き換えて、急行「あかぎ」「ゆけむり」「草津」「軽井沢」などに投入された。後期投入分の7編成は同年6月23日の東北新幹線開業と同年11月15日の上越新幹線開業に際して、両新幹線は大宮駅発着で運行されるため東北本線上野駅-大宮駅間で運転される連絡列車「新幹線リレー号」に充当されるため新造された。新幹線は1985年(昭和60年)3月14日に上野駅まで延伸開業したことで新幹線リレー号は廃止となったが、新幹線の延伸で余剰となる車両については製造段階から同列車の廃止後に別の列車用に転用されることが決まっており、高崎線東北線系統の急行列車の特急格上げに使用されたほか、4編成が田町電車区に転属し、「踊り子」で運用されていた183系を置き換えた。1988年(昭和63年)3月13日ダイヤ改正では新特急「なすの」の減便と特急「踊り子」の増発用として1編成が、1990年(平成2年)3月10日ダイヤ改正では新特急「なすの」の更なる減便と「湘南新宿ライナー」の増発用として2編成が転属した。

1995年(平成7年)からはサービス改善のためのリニューアル工事が実施されて、1998年(平成10年)までに新前橋電車区所属の車両が、1999年(平成11年)から2002年(平成14年)に田町電車区所属の車両が改造された。1996年(平成8年)には、ATC線区の京浜東北根岸線に乗り入れる中央本線系統の臨時特急「はまかいじ」に充当できるよう、田町電車区所属の3編成(B編成=200番台)にATCが搭載された。

2006年3月18日ダイヤ改正では、高崎車両センター(2005年12月10日に新前橋電車区から改組)に所属していた編成が、特急型電車の配置集約化に伴い大宮総合車両センター東大宮センターに転属した。2013年3月16日ダイヤ改正では、田町車両センターの廃止に伴い同センター所属の特急型電車は全て大宮総合車両センター東大宮センターに転属した。これに伴い185系は全車両が大宮総合車両センター東大宮センターに集約されたことになり、元高崎車のOM編成と元田町車のB編成は共通運用化された。なお、OM編成とB編成では編成の向きとグリーン車の連結位置が異なっていたため、このダイヤ改正の前後にOM編成の方向転換とグリーン車の連結位置変更が実施されている。

2013年(平成25年)3月16日ダイヤ改正までは185系電車からは1両の廃車も発生していないどころか、編成の組換もB編成でグリーン車の連結位置を変更しただけであった。しかし、同改正からはOM編成とB編成が共通運用化されたことや、「成田エクスプレス」の減便で余剰車の出ていたE259系による臨時特急「マリンエクスプレス踊り子」の運転開始などの要因が重なったため所要数が減少したため、編成の組み換えが実施された。波動輸送用として用いられていた183系・189系の置き換え用とするため、B2編成~B7編成とOM03編成のグリーン車を廃車とした上で、B3編成~B6編成とOM03編成はそのまま6両編成で運用、B7編成は電動車2両も外して4両編成となり、その電動車はB2編成に組み込んで同編成は8両編成化された。C7編成も0番台からは唯一組み換えの対象となり、付随車を廃車とした4両編成となった。この時に組み替えられた編成は全て波動輸送用となったため定期列車には充当できなくなったが、従来185系には存在しなかった4両編成、6両編成、8両編成が登場したほか、6両編成と4両編成を組み合わせることでモノクラスの10両編成としても運転できるようになった。

2014年(平成26年)3月15日ダイヤ改正からは、登場後33年が経過した185系の老朽廃車がついに始まり、高崎線系統の特急列車に651系1000番台が導入されたことで、上野駅発着の定期列車が消滅した。これによりB1編成とOM01編成、OM02編成、OM05編成~OM07編成の6本が運用から離脱した。ほとんどは廃車となったがOM07編成についてはOM06編成からグリーン車と電動車2両を組み込んで10両編成化され(組成はA編成=0番台と同一)され、上野東京ラインの開業まで試運転用に供された。2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正では上野東京ラインが開業し、試運転用に供されていたOM07編成が廃車となったほか、A2編成も廃車となった。OM07編成は、10両編成化後一度も営業運用には充当されなかった。2016年(平成28年)3月26日ダイヤ改正では、高崎線で最後まで残っていた185系による定期列車が651系に置き換えられ、A4編成が廃車となった。2018年(平成30年)からは、松本車両センターに所属しE353系の導入に伴い置き換えられたE257系0番台が波動輸送に用いられるようになったため、185系からは波動輸送用のB2編成~B4編成が廃車となった。これにより8両編成が消滅した。

2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正からは、東海道線系統の特急列車にE257系2000番台とE261系が投入された。このダイヤ改正で置き換えの対象になったのは251系のため185系から廃車は発生しなかったものの、251系の運用の一部を持ち替えるなどの運用変化があった。2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で定期運行の特急「踊り子」の全列車がE257系2000番台・2500番台に統一され、ライナー列車も特急「湘南」に再編した上で全てE257系で運転されることになったため、185系215系とともに定期運用を全て失った。

編成記事一覧

100番台
クハ185形 編成 新製年/製造所 備考
クハ185-101 都オオA1編成 1981/日本車両 2022年除籍
クハ185-102 都オオC1編成 1981/日本車両  
クハ185-103 宮オオA2編成 1981/川崎重工 2015年除籍
クハ185-104 都オオC2編成 1981/川崎重工 2022年除籍
クハ185-105 宮オオA3編成 1981/川崎重工 2021年除籍
クハ185-106 宮オオC3編成 1981/川崎重工 2021年除籍
クハ185-107 宮オオA4編成 1981/日本車両 2016年除籍
クハ185-108 宮オオA5編成 1981/日本車両 2021年除籍
クハ185-109 宮オオC4編成 1981/日本車両 2022年除籍
クハ185-110 宮オオC5編成 1981/日本車両 2021年除籍
クハ185-111 宮オオA6編成 1981/川崎重工 2021年除籍
クハ185-112 宮オオC6編成 1981/川崎重工 2021年除籍
クハ185-113 宮オオC7編成 1981/川崎重工 2022年除籍
クハ185-114 宮オオA7編成 1981/川崎重工 2022年除籍
クハ185-115 宮オオA8編成 1981/近畿車輌 2021年除籍
300番台
クハ185形 編成 新製年/製造所 備考
クハ185-301 宮オオOM01編成 1981/川崎重工 2014年除籍
クハ185-302 宮オオOM02編成 1981/川崎重工 2014年除籍
クハ185-303 宮オオB1編成 1982/川崎重工 2014年除籍
クハ185-304 宮オオB2編成 1982/川崎重工 2018年除籍
クハ185-305 宮オオB3編成 1982/川崎重工 2018年除籍
クハ185-306 宮オオOM03編成 1982/近畿車輌 2021年除籍
クハ185-307 宮オオB4編成 1982/近畿車輌 2018年除籍
クハ185-308 都オオOM04編成 1982/東急車輛 2023年除籍
クハ185-309 宮オオOM05編成 1982/日立製作所 2014年除籍
クハ185-310 宮オオB5編成 1982/日本車両 2022年除籍
クハ185-311 宮オオOM06編成 1982/日本車両 2014年除籍
クハ185-312 都オオB6編成 1982/日本車両  
クハ185-313 宮オオOM07編成 1982/近畿車輌 2015年除籍
クハ185-314 都オオOM08編成 1982/近畿車輌 2023年除籍
クハ185-315 宮オオOM09編成 1982/東急車輛 2021年除籍
クハ185-316 宮オオB7編成 1982/東急車輛 2022年除籍

編集履歴(記事ID:0035)

  • 2023年4月24日:首都圏本部発足(2022年10月1日付)を反映
  • 2023年1月19日:宮オオOM08編成の廃車を反映
  • 2023年1月13日:宮オオOM04編成の廃車を反映
  • 2022年10月14日:宮オオA1編成の廃車を反映
  • 2022年10月13日:宮オオC2編成の廃車を反映
  • 2022年6月4日:宮オオA7編成の廃車を反映
  • 2022年5月26日:宮オオA5編成の廃車を反映
  • 2022年3月27日:宮オオC7編成の廃車を反映
  • 2022年3月24日:宮オオB5編成・B7編成の廃車を反映
  • 2021年11月2日:宮オオC6編成の廃車を反映
  • 2021年9月21日:宮オオC4編成の廃車を反映
  • 2021年8月24日:宮オオC3編成の廃車を反映
  • 2021年7月15日:宮オオA8編成の廃車を反映
  • 2021年6月19日:宮オオA6編成の廃車を反映
  • 2021年6月8日:宮オオOM03編成の廃車を反映
  • 2021年4月1日:宮オオOM09編成の廃車を反映
  • 2021年3月26日:宮オオA3編成の廃車を反映
  • 2020年2月20日:資料室掲載記事リニューアル作業実施