路線の説明
宇都宮線、高崎線はどちらも東北本線上野駅をターミナルとして運転されており、東北本線から高崎線が分岐する大宮駅までは両系統が同じ線路を共有している。「宇都宮線」は、1990年(平成2年)3月10日から東北本線直流電化区間の愛称として用いられており、「高崎線」は線路名称の上では大宮駅を起点としているが、東北本線の区間でも高崎線として案内されている。宇都宮線は電化方式の都合上黒磯駅で完全に系統が分離されているが、高崎線は高崎駅から先で上越線を経由し、両毛線の前橋駅まで乗り入れる列車がある。2001年(平成13年)12月1日ダイヤ改正では、東北貨物線・山手貨物線・東海道貨物線を経由する「湘南新宿ライン」の運行が開始され、宇都宮線から横須賀線、高崎線から東海道線へ直通する列車が運転されている。原則として、宇都宮線⇔横須賀線の系統は小山車両センター所属の車両で、高崎線⇔東海道線の系統は国府津車両センター所属の車両で運転されることになっているが、後述の上野東京ライン開業後は、代走が実施されることも珍しくない。2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正からは「上野東京ライン」を経由して宇都宮線、高崎線とも東海道線・伊東線との直通列車が運転されている。
宇都宮線・高崎線の所属車両基地は、宇都宮線側が小山電車区→小山車両センター、高崎線側が新前橋電車区→高崎車両センターとなっていたが、間合いで小山車による高崎線運用、新前橋/高崎車による宇都宮線運用も存在していた。しかし、2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で上野東京ラインが開業するのに合わせて車両配置は小山車両センターに集約されており、現在は宇都宮線、高崎線で高崎車両センター所属の車両による定期列車は運転されていない。
運用される車両は、国鉄時代には115系が主力として用いられていたが、1985年(昭和60年)からは新前橋電車区に211系が投入されるようになった。211系の新造は国鉄分割民営化後も続き、1990年(平成2年)までに5両編成57本が配置された。続いて小山電車区向けにも新造が行われ、同区には5両編成16本が配置された。1998年(平成10年)12月8日ダイヤ改正では池袋発着列車の増発が実施されたものの、新型車両の開発が進んでいる時期だったため新造車の導入はなく、横須賀線(大船電車区)へのE217系導入によって余剰となった113系が、宇都宮線の小金井駅以南限定で運用された。
2000年(平成12年)からは、115系の老朽取換を目的として小山電車区向けにE231系の新造が開始された。E231系は10両編成と5両編成が用意され、5両編成を2本連結して10両編成の運用を代走することも想定されていた。E231系は同年6月21日から運用入りし、暫定配置であった113系を置き換えた。113系の運用は少なかったため、E231系の本格デビューは同年12月2日のダイヤ改正からとなり、この改正に伴って小山電車区所属の211系は全て新前橋電車区に転属している。この時は宇都宮線内のみの運用となっていたが、E231系の新造が進むと2001年(平成13年)9月1日からは高崎線でも運用されるようになった。高崎線の置き換えは急ピッチに進み、同年12月1日ダイヤ改正で早くも同線から115系が撤退した。E231系は2003年(平成15年)に小山電車区向けの車両が出揃い、その後もしばらく115系の運用はあったが、2004年(平成16年)10月16日ダイヤ改正をもって全車引退となった。
宇都宮線・高崎線の列車には元々グリーン車は無かったが、湘南新宿ラインの運転開始に伴って東海道線・横須賀線との直通列車も運転されるようになったことが影響してか、宇都宮線・高崎線でもグリーン車の連結が開始されることになった。E231系は、4号車と5号車に新造グリーン車を組み込むことになり、グリーン車組み込みによって編成から外された付随車は国府津車両センター所属のE231系に組み込まれた。これに伴い、付属編成2本を連結して基本編成の代走をすることは不可能となった。211系は、田町車両センター所属の211系、国府津車両センター所属の113系との間で編成組換を実施し、グリーン車を組み込んだ編成が17編成登場した。211系は全て5両編成であったため、グリーン車組み込みに当たっては17編成を3両編成に短縮した上で、他の5両編成と挟み込む方法が採られた(5両編成、グリーン車、3両編成の組み合わせは固定化されており、10両まとめて1編成として扱われた)。しかし、既存編成の組み換えだけでは宇都宮線・高崎線上野口運用のグリーン車連結率100%は達成できなかったため、小山車両センターにE231系を編成単位で追加導入し、新前橋電車区の211系の運用を置き換えることで達成された。同時期に宇都宮線内でホーム延長を実施して宇都宮駅まで15両編成の入線が可能になったことも影響し、2006年(平成18年)7月8日ダイヤ改正までにE231系は基本編成8本、付属編成6本が新造された。2007年(平成19年)には115系訓練車の置き換え用として付属編成1本が増備され、E231系の製造は終了した。
2012年(平成24年)からは、211系の置き換えを実施するため高崎車両センターにE233系の導入が実施され、基本編成は211系と同数の17本、付属編成は高崎地区のローカル運用と共通運用になっているため、上野口で必要な16本のみ導入された。E233系は高崎線で2012年(平成24年)9月1日から、宇都宮線で2013年(平成25年)3月16日から運用入りしたが、湘南新宿ラインに入線することはなかった。211系は2014年(平成26年)3月15日ダイヤ改正で運用から撤退し、宇都宮線・高崎線上野口の新系列電車統一が完了した。
2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正では、上野東京ライン開業と東海道線乗り入れ開始に伴う運用の見直しが行われた。この改正と同時に車両配置の集約化が実施され、高崎車両センター所属のE233系は小山車両センターに転属したが、基本、付属各1編成は国府津車両センターに転属している。また、東海道線内での運用に備えて15両編成の比率を高めるため、E233系の付属編成が3本増備されている(増備車はダイヤ改正前から小山車両センターに配属されていた)。
編成記事一覧
E233系
基本編成 | 新製年/製造所 | 備考 |
都ヤマU618編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU619編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU620編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU621編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU622編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU623編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU624編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU625編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU626編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU627編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU628編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU629編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU630編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU631編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU632編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU633編成 | 2013/JR新津 | |
付属編成 | 新製年/製造所 | 備考 |
都ヤマU218編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU219編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU220編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU221編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU222編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU223編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU224編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU225編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU226編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU227編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU228編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU229編成 | 2012/JR新津 | |
都ヤマU230編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU231編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU232編成 | 2013/JR新津 | |
都ヤマU233編成 | 2014/J-TREC横浜 | |
都ヤマU234編成 | 2014/J-TREC横浜 | |
都ヤマU235編成 | 2015/J-TREC横浜 |
2015年3月13日までの編成番号
・基本編成(U618編成~U633編成):高タカL02編成~L17編成
・付属編成(U218編成~U232編成):高タカD02編成~D16編成
※高タカL01編成・高タカD01編成は、国府津車両センターに転属した。
E231系
211系
基本編成 | |||
C編成 | 元編成 | 撤退年 | 備考 |
高タカC1編成 | A3+A2 | 2013 | G車:211+212 |
高タカC2編成 | A7+A6 | 2012 | G車:211+212 |
高タカC3編成 | A59+A58 | 2014 | G車:211+212 |
高タカC4編成 | A5+A4 | 2012 | G車:210+213 |
高タカC5編成 | A57+A56 | 2014 | G車:211+212 |
高タカC6編成 | A21+A19 | 2013 | G車:211+212 |
高タカC7編成 | A52+A51 | 2014 | G車:210+213 |
高タカC8編成 | A29+A22 | 2012 | G車:210+213 |
高タカC9編成 | A50+A49 | 2013 | G車:211+212 |
高タカC10編成 | A20+A17 | 2013 | G車:210+213 |
高タカC11編成 | A48+A18 | 2013 | G車:210+213 |
高タカC12編成 | A16+A13 | 2012 | G車:210+213 |
高タカC13編成 | A14+A8 | 2013 | G車:213+212 |
高タカC14編成 | A61+A60 | 2013 | G車:213+212 |
高タカC15編成 | A47+A15 | 2012 | G車:213+212 |
高タカC16編成 | A10+A9 | 2014 | G車:213+212 |
高タカC17編成 | A12+A11 | 2012 | G車:213+212 |
付属編成 | |||
B編成 | 新製年/製造所 | 撤退年 | 備考 |
高タカB1編成 | 1985/川崎重工 | 2013 | |
高タカB2編成 | 1986/日本車両 | 2013 | |
高タカB3編成 | 1986/日本車両 | 2013 | |
高タカB4編成 | 1986/近畿車輌 | 2012 | |
高タカB5編成 | 1986/近畿車輌 | 2013 | |
高タカB6編成 | 1986/川崎重工 | 2012 | |
高タカB7編成 | 1986/川崎重工 | 2012 | |
高タカB8編成 | 1986/川崎重工 | 2013 | |
高タカB9編成 | 1986/近畿車輌 | 2013 | |
高タカB10編成 | 1986/近畿車輌 | 2013 | |
高タカB11編成 | 1986/近畿車輌 | 2013 | |
A編成 | 新製年/製造所 | 撤退年 | 備考 |
高タカA1編成 | 1985/川崎重工 | 2012 | |
高タカA23編成 | 1988/川崎重工 | 2012 | |
高タカA24編成 | 1988/川崎重工 | 2013 | |
高タカA25編成 | 1988/川崎重工 | 2015 | |
高タカA26編成 | 1988/川崎重工 | 2014 | |
高タカA27編成 | 1988/川崎重工 | 2016 | |
高タカA28編成 | 1988/川崎重工 | 2015 | |
高タカA30編成 | 1988/東急車輛 | 2014 | |
高タカA31編成 | 1988/東急車輛 | 2017 | 霜取りパンタ装備 |
高タカA32編成 | 1989/東急車輛 | 2017 | 霜取りパンタ装備 |
高タカA33編成 | 1989/東急車輛 | 2014 | 霜取りパンタ装備 |
高タカA34編成 | 1989/東急車輛 | 2017 | 霜取りパンタ装備 |
高タカA36編成 | 1989/川崎重工 | 2017 | 霜取りパンタ装備 |
高タカA37編成 | 1989/川崎重工 | 2017 | 霜取りパンタ装備 |
幕張車両センター転出車 | |||
A編成 | 新製年/製造所 | 備考 | |
高タカA35編成 | 1989/東急車輛 | ||
高タカA38編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA39編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA40編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA41編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA42編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA43編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA44編成 | 1989/川崎重工 | ||
高タカA45編成 | 1990/川崎重工 | ||
高タカA46編成 | 1990/川崎重工 | ||
高タカA53編成 | 1990/川崎重工 | 元・ヤマF3053 | |
高タカA54編成 | 1991/川崎重工 | 元・ヤマF3054 | |
高タカA55編成 | 1991/川崎重工 | 元・ヤマF3055 | |
高タカA62編成 | 1991/川崎重工 | 元・ヤマF3062 | |
C編成化対象車(組換前) | |||
A編成 | 新製年/製造所 | 新編成 | 備考 |
高シマA3編成 | 1986/川崎重工 | C1(5両) | |
高シマA2編成 | 1986/川崎重工 | C1(3両) | |
高シマA7編成 | 1986/近畿車輌 | C2(5両) | |
高シマA6編成 | 1986/近畿車輌 | C2(3両) | |
高タカA59編成 | 1991/川崎重工 | C3(5両) | 元・ヤマF3059 |
高タカA58編成 | 1991/川崎重工 | C3(3両) | 元・ヤマF3058 |
高タカA5編成 | 1986/近畿車輌 | C4(5両) | |
高タカA4編成 | 1986/日立製作所 | C4(3両) | |
高タカA57編成 | 1991/川崎重工 | C5(5両) | 元・ヤマF3057 |
高タカA56編成 | 1991/川崎重工 | C5(3両) | 元・ヤマF3056 |
高タカA21編成 | 1986/日本車両 | C6(5両) | |
高タカA19編成 | 1986/日本車両 | C6(3両) | |
高タカA52編成 | 1990/川崎重工 | C7(5両) | 元・ヤマF3052 |
高タカA51編成 | 1990/川崎重工 | C7(3両) | 元・ヤマF3051 |
高タカA29編成 | 1988/近畿車輌 | C8(5両) | |
高タカA22編成 | 1986/日立製作所 | C8(3両) | |
高タカA50編成 | 1990/川崎重工 | C9(5両) | 元・ヤマF3050 |
高タカA49編成 | 1990/川崎重工 | C9(3両) | 元・ヤマF3049 |
高タカA20編成 | 1986/日本車両 | C10(5両) | |
高タカA17編成 | 1986/川崎重工 | C10(3両) | |
高タカA48編成 | 1990/川崎重工 | C11(5両) | 元・ヤマF3048 |
高タカA18編成 | 1986/川崎重工 | C11(3両) | |
高タカA16編成 | 1986/近畿車輌 | C12(5両) | |
高タカA13編成 | 1986/近畿車輌 | C12(3両) | |
高タカA14編成 | 1986/近畿車輌 | C13(5両) | |
高タカA8編成 | 1986/近畿車輌 | C13(3両) | |
高タカA61編成 | 1991/川崎重工 | C14(5両) | 元・ヤマF3061 |
高タカA60編成 | 1991/川崎重工 | C14(3両) | 元・ヤマF3060 |
高タカA47編成 | 1990/川崎重工 | C15(5両) | 元・ヤマF3047 |
高タカA15編成 | 1986/近畿車輌 | C15(3両) | |
高タカA10編成 | 1986/日本車両 | C16(5両) | |
高タカA9編成 | 1986/日本車両 | C16(3両) | |
高タカA12編成 | 1986/川崎重工 | C17(5両) | |
高タカA11編成 | 1986/川崎重工 | C17(3両) |
編集履歴(記事ID:0015)
- 2023年5月14日:首都圏本部発足(2022年10月1日付)を反映
- 2020年1月28日:資料室掲載記事リニューアル作業実施